【 地鎮祭とは 】
地鎮祭(じちんさい)は「とこしずめのまつり」といい、その土地の神を鎮め、土地を利用させて
もらうことの許しを得る神道の祭儀だといわれています。一般には、土地の神を祀って工事の
安全祈願をすると考えられています。
地鎮祭を行うことにより、家作りに携わるたくさんの方と顔あわせが出来ます。
これから大切なマイホームを建てて下さる方々へ挨拶が出来る場でもあります。
神道の祭儀の場合、神主さんに来てもらい儀式を行います。仏式やキリスト教式もあります。
行うかどうかは施主の判断によります。
やらないからといって必ず災いがおきるということはありません。
地域の風習や時代と共に、特に都心部では地鎮祭を行わない傾向になりつつあります。
費用面の事を考えて地鎮祭を簡略的に済ませる人も増えています。
■ まずはどうすればいいか ■
施工者と日時を決めます。休日の大安などは早めに依頼しないと空いていない可能性があります。
吉日がご希望でしたら前もって準備してください。
日程が決まったら依頼する神主を決めます。
お付き合いのある神社か、建築現場近くの神社などが一般的です。
なければ工務店にご相談ください。
神主には、用意してくれる物(お供え物など)と、送り迎えが必要か確認しておいてください。
■ 出席者 ■
施主と家族、ご両親(近くに住んでいた場合)
工務店代表者、現場監督、設計士、土木事業者(その日から工事する場合等)
■ 地鎮祭のお供え物 ■
『施主側が揃える物』
米(皿山盛り) 神酒(1升) 塩(皿1杯)
以下(神主が用意してくれる場合有)
神酒の盃(茶碗等)
海の幸3種(金目鯛、スルメ、コンブ、ワカメ等)
野菜3種(大根、人参、なす、きゅうり、キャベツ等)
果実3種(りんご、みかん、バナナ等)
『工務店が用意する物』
竹、砂、鍬(神主かどちらかが用意)
工事業者への謝礼は行われていない方が多いです。
ただし竹と砂を用意するのに代金は必要です。
竹もこだわると種類がありますが、一般的なもので1万5千円ほどです。
地域や神主によって違うので行う際は神主または工務店に相談してください。
■ 神官へのお礼(初穂料) ■
最近は、地鎮祭がセットになった形で、ほとんどのお供え物を神主側でそろえてくれる場合が
増えました。こうしたケースで5万円くらいお支払いします。(神社によって異なります)
■ 地鎮祭の手順 ■
①神主が祭壇に入ってお払い開始。
②神主が施主や工務店の名前を挙げて、工事の無事をお願いする。
③神主が土地の四方に向かってお払い。
④砂の山に向かって起工式。最初に設計者が釜を持って3回刈るしぐさ。
次に施主がくわを持って3回耕すしぐさ。
最後に施工者がシャベルをもって3回掘るしぐさ。
このときに、「エイ」と掛け声をだす。
⑤施主から順番に、玉串を祭壇に掲げて二礼二拍手。
⑥神主がお払いして終了。
⑦終了後、お神酒で乾杯。 (大体長くても30分ほどですが、地方や神主によって違いがあります。)
【 上棟式とは 】
建築の際に行われる神道の祭祀です。棟上げ(むねあげ)ともいいます。
建物が無事であるよう願って行われるもので、通常、柱・棟・梁などの骨組みが
完成した状態で行われます。
祭祀ではありますが、住宅の場合、一般的には神主を呼ばず、棟梁が中心となって
儀式を執り行います。
施主は工事の無事と、職人へのねぎらいを伝える貴重な場として、
儀式後、直会(なおらい)という宴会を催すのが通例です。
■ 上棟式をやらなくてもいいのか ■
やるやらないは、施主が判断するもので、地域の慣習やしきたりに囚われることはありません。
やらないと手抜きされそうと心配する方もいらっしゃいますが、職人はプロですからそれはありません。
ですが、上棟式は施主が職人と接し感謝を伝える数少ない機会です。
施主挨拶やご家族の紹介も職人との交流です。上棟式は「施主はもてなす側」です。
職人も施主に感謝されてうれしくない人はいません。
とはいえ、上棟式はお金がかかります。
予算計画の時に、20~30万見ておいたほうがいいでしょう。
大半が祝儀費用です。本来、祝儀は施主が決めることなので、お金がかけられなければ、
予算を決めて、工務店と相談してみてはどうでしょう。
お金がないからやれないのと、もったいないからやらないのでは、意味が違います。
施主の考えは現場に伝わるものです。
上棟式をやるかやらないかを考える時に、家づくりとは何か、家族で話し合うといいと思います。
■ まずはどうすればいいか ■
施工者と日時を決めます。休日の大安などを決めても、工程がうまくいかない場合も
ありますので、休日を優先するか、吉日を優先するか、柔軟に考えた方がいいでしょう。
気をつけなければならないのは、「三隣亡(さんりんぼう)」。
言葉のとおり、近隣三軒が亡ぶほどの災いがある日のことで、着工・上棟などは通常避けます。
迷信だともいわれていますが、本人は気にしなくても、ご近所が気にする場合もあります。
日が決まったら、上棟式の規模を考えます。
ご両親、親戚、近所の方々、声をかける人数が増えるほど、規模は大きくなります。
また、最近はあまり見かけませんが、投げ餅をするときは、準備も費用もかかりますから、
早めに決断しましょう。
■ 当日が雨の場合 ■
雨でもやります。よっぽどの台風直撃で危険な状態でなければ、予定通り進めます。
当日雨予報なら、前倒しで工事を進めておいて、当日は儀式のみの場合もあります。
吉日を希望することが多いので、上棟をずらすと予備日も難しく、
工事も大幅に遅れるので大抵は強行します。
■ 出席者 ■
施主と家族、ご両親、施工業者、設計士(小規模)
ご親戚、ご来賓(中規模)
ご近所、友人(大規模)
■ 上棟式のお供え物 ■
米(皿山盛り、前日に洗っておく)
神酒(1升)
塩(皿1杯)
神酒の盃(茶碗等)人数分
以下(地方によってはまったく用意しない場合もある)
尾頭付き海魚(金目鯛、鯛等)魚屋に前もって注文しておく事
海の幸3種(スルメ、コンブ、ワカメ等)
野菜3種(大根、人参、なす、きゅうり、キャベツ等)
果実3種(りんご、みかん、バナナ等)
■ 祝儀 ■
施主の裁量で決めることですが、過去の経験としては、職人一律1万円、棟梁のみ3万円などです。
金額は施主が一番悩むところですが、設計者や工務店に相談すれば
出席人数も調整してくれることでしょう。
■ 上棟式当日の手順 ■
①午前10時にお茶をだす。
②12時に昼食をだす。人数分のお弁当、お茶、味噌汁など用意
上棟の儀は最上階もしくは屋根に登る(男のみ奇数人数)
③午後3時頃上棟の儀(開始時間は季節や工事進捗状況でかわる)
④棟梁が幣束(ヘイソク、最近では上棟セットと呼ばれる)とお供え物のある祭壇にお払いをする。
⑤施主から順番に祭壇に向かって二礼二拍手。
⑥建物の四方に酒・塩・米をまいて清める。
⑦上棟の儀の後、祭壇の前で乾杯。
⑧建物の四方に向かって、投げ餅をする。(行う場合)
1階に下りて直会(宴会)
⑨施主のあいさつ、乾杯、職人さんの紹介など
⑩施主から職人へご祝儀を渡す。
⑪お開き、手締め。
■ 直会(なおらい)の準備 ■
出席者の人数を確認して、食事の量を決めます。
昨今は1時間以内で終わることも多いので、たくさん用意しなくても十分です。
寿司(大皿で良い)オードブル、つまみ(乾き物)など、
ビール、お酒(当日、上棟祝いでもらうことがあるので、用意しなくてもいい)
ウーロン茶、ジュース。
飲酒運転を避けるため、お酒を出す場合には十分に注意してください。
■ 引き出物の中身 ■
お祝いなので、結婚式と同じイメージで、高価なものは必要ありません。
・祝いのお酒(小瓶)酒屋に上棟用として販売しています。
・おもち(奇数個)か紅白饅頭のようなお祝いもの
・お赤飯+鯛の折り詰もしくはお弁当
・手土産 のり、お茶、鰹節、お菓子、タオル等 一人当たりの金額を決めて、工夫してみてください。
地鎮祭・上棟式の内容はかなり地方によって違いますので、
地元の工務店によく相談して行ってください。